以前BBSでも話題に出た、「水人」。25メートルにも及ぶ、世界最大の波といわれている「JAWS」に日本人で初めてウィンドウサーフィン・サーフィンの両方でライディングに成功をした中里尚雄さんの著書。
『・・・・・人のことをとやかく言ったり、話のネタにして茶化すということは、自分に満足していない証拠だと思うからだ。自分に満足できないから人の悪口をいう。自分が抱えている不満を、人の悪口を言うことで解消してるにすぎない。自分に自信があったら人の悪口なんか言わないはずだ。悪口を言った時点でその人の成長は止まると思う。これはとても損なことではないだろうか』(「水人」より)
前半にあるこの文書からはじまって、私は一気に中里さんのファンになりました。この文章で惹きつけられて、とうとう最後まで読んでしまいました。
この本、とにかくたくさんの人に読んで欲しいと思います。こんなに美しくて純粋な世界があるんだと感動しました。そして、中里さんの澄んだ生き方に胸が熱くなりました。初めて読んだとき、そんなに号泣するような場面ではないのに、ある箇所ある箇所で涙が止まらなかったのを覚えています。悲しいというのではなく、「それでいいんだ。頑張れ。大丈夫。」と本の中から応援されているような気持ちになったからでしょうか。中里さんの力強くも優しい言葉たちは、音楽の重低音リズムのように心に温かく響いてきます。
この本を読めば、心にまとわり着いている余計な脂肪のようなものがとれて、気持ちがすごく楽になる人は多いんじゃないかなー。と思います。先ほど紹介した内容のほかにも、心打たれる文章がたくさんある実にすばらしい本です。久しぶりにいい本に出会いました。自身をもってお勧めする一冊です。
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